(EDについて重要なネタバレがありますご注意を。以前の考察を多少下敷きにしています)
(女神の鎮魂歌をプレイすると氷解する疑問でしたが、時系列を追うと、なおわかりやすいので載せることにしました)




【FF13-2考察】 ライトニングは何故、最後の決戦にて時の台座を引き上げたのか?




 本編クリア直後から(女神の鎮魂歌の内容を知らなかった)気になった場面だった。
 時の台座とは、フラグメント浅黄水晶「不可視世界にて女神エトロが最初の足掛かりとした、聖なる場所である」とあり、シナリオアルティマニア(P478)では「ライトニングが混沌の海から引き上げる、ラストバトルの舞台」と解説されている。

 ノエルとセラがカイアスと戦えばどういう結果になるか、ライトニングは知っていたのに時の台座を引き上げたのか?
 知っていたら何か特別な目的でもあったのだろうか?それとも知らなかったのだろうか?
(この疑問は女神の鎮魂歌をプレイすれば、ライトニングが”セラの死を引き起こすと知らずに”時の台座を引き上げたことがわかる)

 加えて「希望は、お前たちが守ってくれ」
(ラストバトル前、ノエルとセラを混沌の海から引き上げる時のライトニングのセリフより)とは、
「希望も無く戦うのは、生き方じゃない」FF13でそう言ったライトニングの、守って欲しい『希望』とは何だったのか?

「人は言う、『未来は希望にみちていると、今は辛くとも時が立たば楽になれる』と。そんな風にして未来を待つ。けれどセラ、忘れないでほしい。未来へ歩もうと思うなら、時には過去を振り返ることだ。これまで歩んできた道が、これから、未来を歩むお前を支え希望になる」(ヤシャス山AF10年 ライトニングのナレーションより)

 本編と女神の鎮魂歌を時系列で、ライトニングの葛藤を追っていきたい。(※については動向表の一番下に補足追記)


 ノエルとセラの動向

<本編ラスト視点>

 ライトニングの動向

<女神の鎮魂歌視点>

 推測解釈

<女神の鎮魂歌視点>
・飛空艇でのカイアス戦
・「時を視れば命が削られる」(カイアス)
・「それでも私未来を守る!」(セラ)
・カイアスとの1度目の戦い
・セラが亡くなるビジョンを見せられる
・「セラを死なせたのはあなた」
・黒もやの混沌に立つユール
・スノウ編では黒もやユールがスノウを足止めしている
・飛空艇でのカイアス再戦
・「ユールを守るのが仕事だろうが!」
・「全てはユールを守るためだ」
・カイアスに吹き飛ばされて混沌に沈む
・「ライトニングは敗北した、葬ったのは私だ」
・暗転
・ライトニングを無にするための精神攻撃か
(→クリア後のヒストリアクロスアナウンスより)
・存在が消滅すればその先にあるものは"永遠の無"だ。
(→フラグメント閃光の言葉より)
・実体勝負では実力伯仲だからだろうか?※1
・ヴァルハラに落ちる二人
・オーディンが迎えに来る
・「オーディン、お姉ちゃんが助けてくれたの?」
・カイアスに吹き飛ばされて混沌に沈む
・混沌に引きずり込まれた先、玉座の前で気づく
・玉座でつるし上げられるセラのシーン
・玉座の部屋に屋根がない
・空が夕焼けのように明るい
・時空の狭間的な空間か※2
・「ライトニングは敗北した、葬ったのは私だ」
・ヴァルハラの浜辺にてカイアス戦
・カイアス&カオスバハムートvsライトニング勝利
・ヴァルハラの浜辺でオーディン騎乗
・ヴァルハラにも関わらず明るい浜辺
・時空の狭間的な空間か※2
・バハムートに混沌の海へと吹き飛ばされる・「セラを解放しろ!」
・「あなたに彼女を救う資格が?」(ユール?)
・混沌にさらに捉えられる。
・黒いもやはユールらしき残像
・混沌の海に沈んだ二人と時の台座をライトニングが引き上げる。
・「希望はお前たちが守ってくれ」※3
・「お姉ちゃん?」
・「それは償いだと思っていた、私は希望を失っていた」※3
・ライトニングがヒストリアクロスに落ちていくシーン
・カイアスに混沌の海に落とされたノエルとセラを引き上げにいく
・「希望はお前たちが守ってくれ」※3
・「お姉ちゃん?」のセラのイントネーションからライトニングに何を託されたかはよく理解していない。
・「ライトニングは敗北した葬ったのは私だ」
・「この戦いが始まる前、彼女は私に敗れ永遠の眠りについた」
・「時を変える物は誰が血を流すか選ばねばならない、君の負う罪こそ永遠のパラドクス−−」
・ヒストリアクロスに落ちていくライトニング
・「私にはもう希望は見えない」
・「セラを死なせたのはあなた」
・「あなたの招きでセラは旅立ち命を散らした」
・もう一度心折れるような精神攻撃をする
・カイアス敗北
・AF500年のゲートより新都アカデミアへ帰還
・セラ死亡
・混沌の解放
・ライトニングのクリスタル化
・女神なき世界にて玉座に座るカイアス「始めよう、ユール」
・「許してくれ、セラ」
・亡くなったセラが玉座の前に横たわっていて泣くライトニング
・「泣いたら許さないよ」
・玉座に現れる階段を昇りクリスタル化
・再び明るい玉座の前
・混沌を解放しクリスタル化
・ライトニングは混沌が解放された後の展開を知っている?※4


※1 このシーンの後、カイアスはライトニングに倒されるが復活を果たしている。
 これはノエルだけが誓約者カイアスを倒す資格を持ち得るからだろう。
 混沌の心臓=女神の心臓だから、エトロの守護騎士であるライトニングが倒せることになれば役割的に矛盾が生じる。

※2 ライトニングが混沌に沈められてからのヴァルハラは終始明るく、OPでの玉座の間と印象が違う。
 一方、本編シークレットEDで暗いヴァルハラの玉座に座るカイアスは、時空の狭間にいると思われる。
 フラグメント「カルテシアン式盤:時空の狭間は可視世界と不可視世界の間隙、ヴァルハラから投影された無数の影のごとき空間である。(中略)人々の願望や、信仰と結びついて巨大な伝導や闘技場を形成してる場所もある」
 ライトニングは最終的に屋根のついた神殿の中でクリスタル化した姿が映る。ヴァルハラという空間はこのように多層的な構造となっているのだろうか。
 同じ場所で違う次元の事象が起こっているシーンは、AF700年死にゆく世界でもある。セラがノエルの夢でずっと彼を追い続けるが、覚めた場所は現実の時詠みの村だった。

※3ライトニングが守って欲しいのは、過去の贖罪に捉われ、未来へ踏み出す勇気を失いつつあった「ライトニング自身の希望」だった。

※4ライトニングが護ろうとした女神の想いとは何だったのか。(小説Fragments Afterにて判明するか?)
 彼女がクリスタル化の選択肢を知る機会といえば、玉座に残されたエトロの意思により女神の騎士になった瞬間だと思われる。
 自らの贖罪を果たすためだけでなく、混沌の解放をひたすら阻止するライトニングの役割こそが、滅びゆく女神が託す願いの一つと言える。とすると「世界の滅びはさだめである」と記される神話に抗うかたち。
 混沌の解放≠未来を守るという図式なら、さだめに逆らえなかった場合の最終的選択を、エトロから授かった可能性がある。



 ラストバトル後のノエルの言葉「ヴァルハラはあらゆる可能性があるけど、可能性しかない」
 フラグメント「カルテシアン式盤」による人々の願望と結びつく時空の狭間
 混沌(=心)のある不可視世界は願いがあれば具現化もある場所。忘れなければ、希望を持っていれば実現する可能性のあるチャンスが巡ってくる展開があるのかもしれない。
 ライトニングはセラの希望を守る不滅の方舟として、その時を待っている。

<fin>

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